制作室は、静かな場所にあります。
何かが始まるとき、
そこは少しだけ空気が変わります。
春水の頃が動き出してから、
制作室の机の上には紙が増えました。
まだ形にはなっていません。
言葉にならない断片や、
輪郭だけのアイデアばかりです。
けれど不思議なことに、
それらはどこか同じ方向を向いています。
町の気配。
人の気配。
誰かが暮らしている音。
制作室は、それをまだ「ゲーム」とは呼びません。
ただ、そこにある景色を少しずつ拾い集めています。
窓の外では、季節がゆっくり進んでいます。
制作室の中でも、
同じように小さな時間が動き始めました。
春水の頃は、まだ始まったばかりです。



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